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ある年の末、ジングルベルの音楽が町に鳴り響き、シクラメン・シンビジュームなど、
暮れの贈答用に市場から仕入れられてきた色とりどりの花たちに囲まれた
花屋のお店の片隅に、サンタクローズのような真っ白なクリスマスローズのお花が並んでいました。
 楚々としてうつむきかげんに咲くクリスマスローズの花を見る客は少なく、買い物
客は歳末の混雑に紛れて、色あでやかで派手な花に目が移ってしまいます。
 三日過ぎ、五日経ちクリスマスローズはそれでも一鉢ずつ売れていきました。
 その花屋さんの店先に夕刻になると必ず立ち寄って、クリスマスローズを眺め
ている一人の小さな女の子を連れた女性がいました。

 花を買うわけではなく他の派手な花には関心が無いように、真っ白なクリスマスローズの
花首に手を添え眺めて店員に「クリスマスローズの小首を傾けた白い花って子供の頃を
思い出させるのね」などと話し掛けるだけです。
 そんな日が何日か続き、クリスマスローズはとうとう一鉢だけになってしまい、夕暮れ時に
その最後の一鉢を年老いた婦人が店員にプレゼント用にとラッピングを頼み
買っていってしまいました。

 日が暮れる頃、いつものように子供を連れた女性はその花屋の店先に立ち、
最後に残った一鉢のクリスマスローズが売れてしまったことを知ります。
店員に「とうとうみんな売れてしまったのね」と話し掛け立去り、しばらくする
と先ほどの女の子を連れた女性が雑踏の中を花屋に駆け込んで着ました。

 店員は何事かとビックリしたようですが、「最後のクリスマスローズをお母さ
んがプレゼントしてくれたの、私がいつもこの花屋さんでクリスマスローズを
見ていたので,、今日私の誕生日だからってプレゼントしてくれたの」。


ネットより

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